"SchoolSE"

学校現場にSEを。

School SEの時代です

とある中学校で情報教育・情報管理を担当しているものです。今年度から今の学校に異動したのですが、GIGAスクール構想で導入されたPCがちょうど今年度から本格運用!というタイミングで赴任したために、バリバリ働く羽目になっています。教員生活は6年目になりますが、ICTに関わる業務をそこそここなしてきました。これは書き留めておかないともったいない、というか忘れてしまうと思い立ち、ブログに記しておこうと思いました。内容としては

  1. 学校教育におけるICTの活用アイデア
  2. 学校現場における端末の管理(クラウドベース)
  3. 愚痴

などを中心に書いていきたいと思います。学校現場で頑張るすべての情報担当者、PCに振り回されるすべての学校関係者の役に立てばと思っております。よろしくお願いします。

今回は、本校に導入されている端末やライセンスについて、情報担当の業務について、管理の実際について書いていきたいと思います。

 

①本校のICT設備について

〇端末

Lenovo Ideapad D330(デタッチャブル・タッチパネルのノートPC)

OS:Windows 10 Pro Education

CPU:Intel(R) Celeron(R) N4000

RAM:4.00 GB

ストレージ:64GB eMMC

かなりコンパクトです。ただスペックが…。Celeronなので動作はサクサクとはいかないです。ストレージが64GBなので、デジタル教科書やらソフトやらを入れたら空き容量の余裕はないです。(筆者が使っている端末は空き容量18.56GBです)

無線LAN関係

全普通教室に1台ずつ、特別教室や体育館、職員室にも入っています。メーカーはフルノシステムズ。教室全員で使うと、接続できない端末が2,3台あるかな…ぐらいです。そこまで不便さは感じていません。ちなみに校務PCも無線LANに接続されています。

〇教室設備

黒板左上にプロジェクターが設置されています。スクリーンも黒板上に取り付けられており、必要に応じて引っ張って降ろす形です。Windows純正のMiracastがすべてのプロジェクターに接続されているので、どの教室に行ってもワイヤレスで投影ができます。これはとっても便利。

また、みらいスクールステーションというものがプロジェクターに接続されています。

www.mirai-school.jp

こいつはかなり便利で、校内ライブ放送が簡単にできるほか、サーバーに保存したデータ(動画、音声、画像など)を再生・表示できます。例えば、生徒会で作成した動画を好きなタイミングで再生したり、教材を入れておいて授業で再生といったこともできます。かなり便利です。

〇Microsoft365 Education GIGA Promo

教育機関であれば無償で使えるMicrosoft365のライセンスです。Microsoft365とは、簡単に言えばOfficeのサブスクです。Office365 A1ライセンスがついてくるので、一般できなOfficeは大体使えます。アプリだけでなく、ブラウザで動くWebアプリ版も使えます。Onedriveもついてくるので、クラウドストレージが利用できます。また、Azure Active DirectoryMicrosoftアカウントをクラウドで管理するツール)やIntune(端末をクラウドで一斉管理するツール、MDMと呼ばれます)なども使えます。最近はこれらと戦っています。詳しくは次回。

Google Workspace for Education

以前はG suiteと呼ばれていました。Google教育機関向けに無償で提供しているリソースです。Chromebookであれば、これらをメインで利用することになります。

OfficeでいうWordはドキュメント

OfficeでいうExcelスプレッドシート

OfficeでいうPowerPointはスライド

といったように、Officeに代わるソフトが利用できます。Googleの場合は、これらがすべてブラウザ上で動きます。Officeに慣れている大人にとっては、ちょっと戸惑うかもしれませんが、初めて使う子どもたちにとっては、OfficeでもGoogleでも大差ありません。クラウドですので、編集したそばからじゃんじゃん自動保存されます。データはGoogleドライブというところに置かれるので、アカウントでログインすれば、どの端末からでも自分のデータにアクセスできます。

最近、本校でかなり活用されているのが、Google Classroomというツールです。各クラスごとにポータルを作ることができ、クラスへの連絡や課題出したり提出させたりといったことが、いとも簡単にできます。ほかにもいろいろな機能がありますが、それは追々。しかし、MicrosoftといいGoogleといいこれらの機能が無償で使えるのはかなりやばいですね。一般企業で導入数するとがっつり金がかかります。教育にかける思いが違います。

〇eライブラリ

ドリル教材です。こちらもクラウド版ですので、ブラウザで動きます。ドリル学習がかなり簡単にできるほか、教師側から課題を出すことができ、一人一人の進捗状況や正答率など細かいところまでモニタリングできます。個別最適化にうってつけです。

 

②情報担当の業務について

今の学校に赴任して5か月が経とうとしていますが、振り返ればなかなか大量の業務をこなしてきたなあと感じています。思い出せる範囲で書きます。

〇端末に関してのマイナートラブルへの対応

「サインインできなくなりました」「スタートメニューが表示されなくなりました」「データが消えました」「Googleにログインできません」どしどし来ます。駆け込み寺です。台数が多い(370台程)ので、それだけトラブルもちょくちょく起こります。ある程度の知識があれば対応できますが、すべての学校のそういった人材がいるとは限りません。自分がいなかったらどうするつもりなんだろう教育委員会…と思うことも多々ありますが、考えることをやめました。

〇デジタル教科書のインストール

これはかなりえげつなかったです。えげつなすぎてここには書ききれないので、気が向いたら書きます。一つ言えるのは、デジタル教科書はインストール不要のクラウド版がおすすめ、ということです。

教育委員会への提出書類関係

一人一台のPCは教育委員会から貸与されるものであるので、借用申請書や物品受領書などなどの書類が必要になります。申請書を配布して回収…ぐらいなら問題ないのですが、PCのシリアルナンバーを把握する必要がありました。一台一台確認…なんてことはしたくなかったので、MDMから情報を取得することができたので事なきを得ましたが、クラウド関係の知識が必要です。これも、それができる人がいたからできただけで、いなかったら一台一台確認するのか…と考えたら恐ろしいですね。というか教育委員会がやるべきだろうと思いましたが、考えることをやめました。

〇悪さをする生徒への対応

絶対います。とくに使い始めた頃は必ずいます。最近は生徒のレベルも上がってきているので、こちらの管理の抜け穴を見つけようとしてきます。スキルが高いのは喜ばしいことなのですが、こちらの仕事が増えるので嘆かわしいことでもあります。ただ、悪さをするのは最初だけで、慣れてくると収まります。辛抱も大事です。

MDMを用いた端末設定の管理

「使えるブラウザをChromeだけにしたい」「スリープ復帰時にパスワードを省略したい」「Windowsの更新がかかるタイミングを制御したい」などなど、そういった要望に応えるのも情報担当の仕事です。これはもうSEの仕事ですね。学校にもSEが必要な時代がやってきたなと思いました。

 

色々なことを書きましたが、最近思うのは、学校専用のSEが必要じゃないかということです。学校に張り付きでいてもらえるのが理想だとは思いますが、まあ難しいと思うので、せめて教育委員会にはいてもらいたいなあと思います。正直、今の業務は私が好きでやっていますが、自分がいなくなる時に誰かに引き継げるかと言われたら、自信がありません。教員は異動があります。だからこそ、教育委員会側にそう言った人材が必要だと思います。

このブログは、そんな同じ悩みを持った方々の役に立てるような内容にしていきたいと思っています。かなりマニアックな話も出てきますが、その時は読み飛ばしてください。ではまた。